ゼロから始める経営学 Vol.28
第3章 イノベーション経営の戦略と組織
1 イノベーションのS字曲線
(1)どのように推移するか
・イノベーションとは「革新」を意味し、新しい製品(サービス)の開発・導入・新生産方法の開発・新しい流通・販売方法の開拓・新組織の形成等々によって、社会的・経済的な価値を生み出すこと。
・S字曲線はイノベーションの現実の起こり方を簡単化した模範的表現の一つである。
(2)エジソンと映画
・エジソンは映画関連の発明があり、キネトスコープといものがあるが、これは個人の娯楽の物でリュミエール兄弟がシネマトグラフという物を作り、S字の交代をどう把握するか、その見立てが大きく違う事がポイントであり、リュミエールの実践こそが世界最初の映画上映である。
2 企業がめざす二種類のイノベーション
(1)工程イノベーションと製品イノベーション
・製造業企業が目指すイノベーションには生産技術に関する工程イノベーションと製品(およびサービス)という生産対象自体に関する製品イノベーションがある。
・テイラーシステム…人間労働を細分化し、それを最も効率的に再構築する管理の方法を提唱した。
・ヘンリーフォード…自動車産業において流れ作業方式を完成させた。また「移動組立ライン」を活用して工程全体の同期化をはかった。
・ゼネラルモーターズのアルフレッド・スローンは「他車種大量生産システム」を追求し、「部品の共通化」をポリシーにした。
・トヨタ自動車の生産システムは中間在庫を極力もたないジャスト・イン・タイム、後工程引き取りによる工程全体の同期化、小ロット主義など独自の構成原理を持ち、「リーン生産方式」と称されることもあった。
(2)二つのイノベーションの関係
・産業発展の初期には、製品イノベーションが頻繁に生まれる段階で、その中から特定の製品概念が有力となり、それが産業全体を支配するようになり、このような製品概念のことを「ドミナント・デザイン」と呼ぶ。ドミナント・デザインの出現を契機として、産業発展は製品イノベーションから工程イノベーションへと移行する。
・生産性の上昇とイノベーション間にトレードオフの関係が生まれる。この現象をアバナシーは「生産性のジレンマ」と呼んでいる。
(3)脱成熟とイノベーションの制度化
・生産性のジレンマをあまり決定的にとらえる必要はないかもしれない。ここで二点が重要である。
・第一にひとたび成熟した産業が新しい技術的アプローチの発見等を契機として再度活発化され、新たな発展過程が始まる可能性は十分ある。そのような現象を「脱成熟」と呼ぶ。
・第二に生産性のジレンマを打破し、企業は組織的・系統的な努力によってイノベーションを不断に生み出していくことが可能である。企業による新製品の開発への取り組みを強いる面もある。
(参考)経営学 入門(下)
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