ゼロから始める経営学 Vol.31

第4章 日本企業の経営課題


2 戦略性を強化する


(1)日本企業には戦略がない?


・マイケル・ポーターの持論の一つに、「日本企業には戦略がない」というのがある。


・ゲイリー・ハメルも「日本企業は差別化しないという戦略をずっととってきた」というのである。


(2)「差別化しない戦略」とは


・日本企業においては少なくともある時期までは、差別化しないことがむしろ積極的な意味で戦略的であり高業績につながったといえるかもしれない。


・右肩上がりの需要の場合、差別化するとむしろ対象市場を小さく限定してしまう恐れがあった。


・差別化しないことのメリットもあり、同質競争で鍛えられた「戦う集団」として他を圧倒するようになる。


・現在では「差別化しない戦略」や「戦略不要論」でもやってはいけない時代である。


3ビジネスモデルを組み立てる


(1)戦略性強化が求められる理由


・ビジネスモデルとは最も素朴には「事業の組み立て」あるいは「儲ける仕組み」といった意味である。


・近年この言葉が使われてきた理由は三つある。


・第一に昔は産業ごとにそれぞれフルセット型の組み合わせがあり、事業の組み立てではそれが普通だった。それが「フルセット型」から「特化型」の経営がもてはやされる時代でどの部分に焦点を合わせる為にこの言葉が使われた。


・第二に利益を獲得できるかという問題が事業の組み立ての中で近年、特に重要になってきた。売り上げと利益との間に一定の対応関係があったのは過去のことで近年は売り上げと利益は別個である。


(2)無視できない外部からのプレッシャー


・第三に外部からの収益プレッシャーが従来に比べて強くなってきているという事実がある。


・昔は「健全な赤字事業」は認められていたが、今では資本コストを上回る収益率を実現しなければいけない。


・以上の三つの点でビジネスモデルという言葉があるのである。この言葉の意味を理解し、経営課題としてその構築に取り組むことは、日本企業の戦略性を強化する上で必要不可欠な課題である。


(参考)経営学 入門(下)

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